Blog - Back to 90’s 2013. 12. 06 11:12

僕の次のMix CDのタイトルは”Love Tribe presents Back to 90’s”。

発売日は12月18日です!

CD

90’sとはもちろん90年代の事。

90年代と言ったら中学〜大学までの多感な時期を過ごした時代。

そんな時代に僕が聞いて育ち影響を受けたダンスミュージックの中からHOUSEにジャンルを絞りMixしたのがこのアルバムです。過去何枚もCDはリリースしていますが、こんなに懐かしい気分に浸りながら作ったCDは無いと思います。そもそもこのCDを作る事になったのは僕のDJがきっかけでした。

僕は基本的には毎回のDJ setに自分なりに前回とは違う何か新たな要素を組み込んで行くと決めています。毎週の様に世界中から配信リリースされていく新譜達も時間の許す限りチェックはします。ただこの数年は個人的にピンと来るものがそんなに多く無く。。でも何か自分でも新しい気持ちで楽しめる音楽は無いかなと思っていた時に部屋でたまたま90年代のレコードを見つけて久しぶりに聞いてみたのがそもそもの始まりです。それからはちょこちょこと自分のDJ setの中に90年代の曲を混ぜてかけていました。やはりカッコ良いものが多いので。

もちろん90年代の曲がかかっている時のお客さんの反応もチェックしてました。これが僕の予想以上に反応が良くて毎回驚きます。そういった曲を知っていそうな世代にも、絶対知らないでしょという世代にも。なにより楽しんでいるのは僕かもしれません。お客さんとしてクラブで楽しんでいた曲を今度は自分でDJでかけているのだから。

しかしこのMix CDを完成させるまでは中々大変でした。こういったCDを作る際は必ず使う曲の使用許諾を得なければなりません。(海賊版等はここら辺を無視してリリースしちゃったりしますが。)僕が最初に選曲したのは約30曲。これは万が一許諾が取れなかった際の為の予備も含めるのでこの位の曲数になります。さて、僕が最初に申請した30曲ですが、なんとOKが出たのはたった1曲!!これには本当に驚きました。

僕が最初に選んだものは比較的メジャーレーベルのものが多かったというのが原因の1つでもあります。詳しく書くと長くなるので細々とは書きませんが、なかなか難しいのです許諾をとるのが。A社というメジャー会社の曲をB社という会社(メジャー、インディーズ関係なく)が使用して商品を作るというのが厳しいのです。A社のものをA社が使用して制作する場合は基本的には作曲したアーティストが嫌がらなければ話は通りやすいのです。他人の褌で相撲をとるな、とまではいかないですが厳しいのです。ここで泣く泣く選曲の妥協を迫られるDJは少なく無いのでは?と思います。そういった壁等に阻まれCLUBでの自分のお気に入りの流れが作れなかったりする事もあるわけです。まあそれが権利ビジネスというものなので仕方ないのはわかるのですが、音楽業界ここら辺がもう少し将来改善されると良いなと正直思います。音楽も音楽のあり方も音楽の活用法も、どれもが時代とともに変化していくのだから。

ところで、僕が最初に選んだものに何故メジャーのものが多かったのかという所を説明しましょう。90年代の音楽シーンではいわゆる有名アーティストの作品をその当時の人気DJがremixするという形がどんどん主流になって行きました。もちろん80年代にもremixはありました。70年代にだってありました。が、90年代のremixの概念とは少し違うかなと思っています。それは音楽制作に使う機材の問題も1つにはあったのかもしれないなと僕は思っていますが、、その時代の音楽制作の話はまた別の機会に。とにもかくにも、こういった90年代流のremixにかなりカッコ良いものが多かったのです。remixにおいてはメジャーとアンダーグランドが見事にマッチしていた時代なのではないかなと思います。メジャーな曲のremixというのはまだ10代でそんなにclub musicに詳しく無い僕にはとてもわかりやすかったのをよく覚えています。実際影響受けたremixも数多いです。そんなわけでついつい最初にメジャーなものを沢山選んでしまったというのもあります。

そんなわけで完全に選曲し直しという事になってしまったのです。なにせ1曲しか許諾がとれなかったので(苦笑)。ある程度流れも考えなければいけないのでやたらめったら選べば良いというものでもないのがこのMix CDの難しいところです。A→B→C→Dという流れを考えて選曲してもBCの許諾が取れないとかそういう事になったりもするので。そうすると流れも何もあったもんじゃないとなってしまいます。なのでレーベルも気をつけながらもう一度自分のレコード棚を慎重に探しまくったのです。そうしたら出てくる出て来る、すっかり見落としていた名曲達が!!その名曲達を申請した所かなりの曲が許諾OKになり、晴れてこのCDの制作に入れる!という流れのはずでした。。

しかしまたやっかいな事が。こういったMix CDを作る際はレーベルからオリジナルの音データをもらってそれを使用してMixする事が多いのですが、なんと今回は各レーベルからほとんどそれが届かない。。時代も経ってしまっているので小さいインディーズレーベル等は今はあまりレーベルとしては機能していない所もあったりしまして。もちろん僕の持っているアナログを使用しても良いのですが使用頻度の高かったアナログ等はやはりどうしてもノイズがのってしまうのです。CDという商品にするわけですからあまりノイズが乗っているものを作る訳にはいかない。なので正規の音データを送ってもらってそれを使う事が多いのです。結局ギリギリまで待って音データが届いたものはそれを使い、届かなかったものはサイトで綺麗な音をダウンロード購入し、そういったサイトにもないものは僕のアナログを使いました。

そんなこんなでやっと出来上がったMix CD”Love Tribe  presents Back to 90’s”。こんなに頑張ってブログを長々と書いてしまいましたが、よく考えると僕の曲は当然ながら1曲も収録されていません(笑)。でも何故かこんなに書いてしまいました。きっと愛着があるアルバムなんだと思います。自分の曲が収録されてない事もあってかなり客観的に楽しめて良いです。車でも凄く楽しめました。

ヨーロッパやアメリカの若いアーティストの中には90’sの影響がかなり色濃く出ている人達も出てきました。しかもそういった音楽が今かなり流行り始めていたりします。時代がそんな時代になったのかもしれませんね。今も続くclub musicというジャンルの礎を築いた90年代という時代のアイデアに溢れた名曲達を楽しんでもらえたらと思います。