Blog - 電人ザボーガー論 2013. 08. 19 12:08

微分音というものがあるのをご存知でしょうか?

簡単に説明すると例えばピアノの「ド」と「ド#」いわゆる半音の間、半音より狭い幅に存在する音の事。

ピアノでは通常ちょっと出すのが難しいですね(調律次第ですが)。

弦楽器、管楽器では出す事が出来ます。

その微分音について”音子屋”で話したかったのでネットで調べ物をしていたのですが、なかなか思っていたものが見つかりませんでした。

そんな時たまたま覗いたwikipediaに書いてあった一文に驚愕してしまったのです。

昔の子供用特撮番組『電人ザボーガー』の子門真人が歌うテーマ曲になんと微分音が出て来るというのです!

そんな馬鹿なw!

現代音楽や中東の音楽辺りからどちらかというとアカデミックな方面の資料を探していた僕にとっては全くの守備範囲外。

電人ザボーガー自体も名前くらいしか知らない。

僕の特撮ヒーローものの一番古い記憶は『電子戦隊デンジマン』だ。

しかし電人という響きは凄い。

その凄い”でんじん”という響きが歌の中で連呼される。

『電人、でんじん、でーんじ〜ん♪』といった感じでサビの最後に来る。

そしてその『じ〜ん』というところが微分音だとのたまっておられるではないか。

是非皆さんも一度聞いてみて下さい。

今日そんなザボーガーの歌について皆で論じてみました。

果たして微分音なのか?

子門真人氏が、ここは半音と半音の間の微分音でバシッと決めちゃおうよ、なんとでも言ったのでしょうか?

僕は一応長年レコーディングしてきましたがvocalに微分音を求めた事はちなみに一度もないです。

 

色んな説が飛び交いました。

『でーんじ〜ん♪』の『でーん』はD♭音で『じ〜ん』はC音にとれる。

1、サビで盛りあがっちゃったせいでこのD♭からCの半音をうっかり下がりきれずにいる。

2、本当は『じ〜ん』の部分もD♭なんだけどそこに到達する過程で疲れちゃってちょっと音程が下   がっちゃった。

3、録音時まだメロディをうる覚えだった。

4、本気で微分音だ。

等々、色々でているのですがこればかりは本人に伺ってみないとわかりませんね。

僕個人は『でーんじ〜ん♪』は『じ〜ん』がCに下がるのも悪く無いけどD♭のまま『でーんじ〜ん♪』を続けた方が勢いがあって良いのではないかなぁなんて事も思ったりするわけです。

だから子門真人氏もついつい気分よくD♭キープな気分になってしまい気がついたときにはCに下がる準備が間に合わず何とも言えない音程になっているのではないだろうか??

しかし3番まであるこの歌のほぼ毎回が不安定に聞こえなくもない。

聞き直すと1番と2番だけが不安定な微分音、3番は安定のC音に聞こえなくもない。

生き物のように毎回印象が変わる。

なんという斬新な効果なんだろう、電人子門真人よ。

でも昔のこういう音楽はいわゆるちゃんとした作曲家が作っている事が多いのでこの部分は凝っていてCに下がったのかもしれません。

『じ〜ん』の正解がCだったならばここはコード的にはD♭メジャー7となるのでこれはこれでなかなか小洒落た響きです(Jazzではこの7th系のコードが基本的にはよく使われるのです)。

濃い〜〜ままできて最後にお洒落。

二郎系ラーメンもしくはモツ煮込みを食した後のデザートにミルフィーユ。

みたいな。

 

何か他に調べる方法がないかと必死に探したのですが、中々というか、ほぼ、こんな事について言及している読み物はありませんでした。

でも一つだけ良い情報が見つかったのです!

なんと『電人ザボーガー』は2011年に映画化され主題歌が歌い直されていると言うではないですか!

早速探して見つけました。

これならどっちの音か分かるはず!

で、聞いてみたんですが、うーん、、、僕の好みのD♭寄りではありますがなんとも曖昧。

歌唱力がありすぎてビブラートで音程の判断が正確に出来ない。。

しかし良い声をしてるな。

 

と思っていた時にひらめいたのが、そうだ!楽譜は!?

必死に探したら出てきました!!!

という事で調べました!

著作権の色々の関係上ここに楽譜は載せられませんが、どちらだったと思います???

『じ〜ん』はCに下がるのか、はたまたD♭のままでキープなのか。

 

 

 

正解は、、、

 

 

 

Cに下がる。でした!

 

D♭でキープ派の僕としては若干残念ではありますが、ひとまず結論が出たので良しとしましょう。

 

 

僕の好きな特撮ものは『サンバルカン』ですし。