Blog - アンサンブルについて考える日々。 2018. 06. 15 10:06

この1ヶ月、いつか見たいと長年思っていたアーティストや楽団のLive&コンサートに行けるという機会に恵まれました。
ブラジルの鬼才Hermeto Pascoal、日本を代表する世界的ヴァイオリニストの五嶋みどり、そしてフランスの管弦楽団Les Siècles。
ありきたりな言葉にはなりますが、本当にどれも素晴らしかったです。

Hermeto PascoalはバンドでのLiveでしたが、演奏技術だけで押し通すのではないエンターテイメント性も豊かなLiveでした。
彼の音楽が長きにわたって支持を得ている理由がわかった気がしました。

ドラムやベースが加わったバンド演奏にももちろんアンサンブルの意識というのはとても重要です。
他のミュージシャンの演奏を聞きながら自分の演奏もそれに合わせたり、その逆に自分のプレイが他のミュージシャンをリードしていく事もあります。
これが簡単なようでとても難しい。
自分だけ目立とうとしちゃったりするのがいるともうホント最悪(苦笑)。
もちろんヒドイのをやらかしたりすると2度と誘われる事はない厳しい世界です。

今回五嶋みどりさんのコンサートは弦楽カルテットでの演奏でした。
弦楽カルテットというのはヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロの弦楽器4人編成の事です。
僕は学生の頃から弦楽カルテットの編成はかなりの数を作曲も編曲もしてきました。
特に音楽業界に入ってからはありがたい事に相当数の弦楽器アレンジをやらせてもらっています。
当然弦楽カルテットの曲も沢山聞いてきたし、コンサートに行って聞いた事もあります。
しかし、今回の五嶋みどりさんのカルテットの演奏は別次元のものでした。
五嶋みどりさんが素晴らしいのは当然なのですが、そのカルテットとしての仕上がり具合が本当に凄かったです。
あえて若手演奏家をメンバーに選んでのカルテットで、どのくらいの期間でそのカルテットを仕上げたのかはわからないのですが、始まって30秒後にはその演奏にのめり込んでいました。
演奏場所はクラシックのホールではなくなんと増上寺の大殿。
なので空調が整えられたホールよりは多少湿気もあり弦楽器にとっては中々厳しい環境だったと思うのですが、そんな事は全く感じさせないピッチ感。
楽器同士の縦の響き、各楽器の横の流れ、音の強弱、テンポ感、それぞれの場面での各楽器の役割分担、どれもが僕のイメージしている弦楽カルテットでの表現力のはるか上を行っていて、こんな風に音楽を作り込めるなんて本当に羨ましいと思いました。
世界のトップに上り詰めたヴァイオリニストが作り上げるアンサンブルに完全に打ちのめされました。

その2日後にフランスの楽団Les Sièclesの演奏を聞きにオペラシティへ行ってきました。
Les Sièclesは弦楽カルテットではなくいわゆるオーケストラ編成の管弦楽団なのでかなりの大編成です。
僕はLes Sièclesに対して、他の様々なオーケストラよりもっとチーム的で何か自発的な目標に向かっている集団、というイメージがありました。
世の中的にはそれとはタイプの違うお仕事的なオーケストラというのも沢山ありますからね。
そしてコンサートで音を聞きやはり自分が抱いていたイメージは間違っていなかったと思いました。
今回彼らはDebussy, Ravel, Stravinsky, Bizetという見事なくらい僕が大好きな作曲家の曲のみを演奏してくれたのですが、その完成度がハンパない。
1音目が出た瞬間にゾクッとしました。
あのサウンドは寄せ集め集団では絶対に出せないサウンドです。
Les Sièclesでしか出せない独自のサウンドを求め日々鍛錬を積んでいるのだと思います。
実際作曲家の生きていた時代の楽器を導入したりしてその当時の音を再現したりもしていて非常に面白いです。
同じ目的意識を持つ凄腕の演奏家が集うとこんなサウンドを作り上げられるのかと感嘆しました。
メインはStravinskyの『春の祭典』だったのですが、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、とにかく演奏家泣かせの曲です。
視覚的にも難しいのがよくわかります(笑)。
それもあっての達成感からなのか、それともLes Sièclesでは毎回なのか、そこはわからないのですが、終演後メンバー同士が全員ステージ上でハグし合っているのがとても印象的でした。

そんなこんなでアンサンブルについて色々と考えさせられる事が多い日々です。
7月に行うビッグバンドも当然アンサンブルが重要だし、同じく7月に行うVocalに焦点を当てたLiveイベント『Sing Jazztronik』での有坂美香、為岡そのみ、エリアンナの3人のコーラスもアンサンブルが重要だし、もちろん再来週に迫ったJazztronikのLiveもバンドでのアンサンブルだし。
今年はLiveがとても多いのでこういった事により一層真摯に向き合わせる気を起こさせてくれる良いきっかけとなりました。

ちなみに、まだblogでは書いていませんが、この『Sing Jazztronik』はJazztronikの歌モノに焦点を当てたLiveです。
有坂美香、為岡そのみ、エリアンナの3人がメインとなり彼女達の素晴らしいハーモニーでJazztronikの楽曲を歌い上げてくれるLiveです!!
実は構想は2年前からあり彼女達には話していました。
ピザおごったりしながら(笑)。
それがいよいよ始動するので僕も非常に楽しみです!!
そのLiveのスケジュールですが、こんな感じになっています!

7月20日(金)@Left Alone(芦屋)
Open 18:00
Start 19:30
前売り 4000円
当日 4500円
前売り予約はLeft Aloneさんで取り扱っています。
http://www.left-alone.jp/
Tel: 0797-22-0171
info@left-alone.jp

7月21日(土)@Rokujian(京都)
Open 17:00
Live Start 18:30
前売り 4000円
当日 4500円
お問い合わせ
Styrism 03-6452-3172
チケットはこちらから。
https://singinkyoto.peatix.com/view

7月22日(日)@FLOW Lounge(名古屋)
Open 18:00
Live Start 18:30
前売り 4000円
当日 4500円
お問い合わせ
FLOW lounge 050-5834-9817
チケットはこちらから。
https://singinnagoya.peatix.com/view

出演
有坂美香 (Vo)
為岡そのみ (Vo)
Eliana (Vo)
栗原健 (Sax)
木田浩卓(Bass)
中里たかし (Percussions)
野崎良太 (Piano)

そして6月29日は日本橋CITANでJazztronikのインディーズ時代のアルバム『Nu Balance』『Set Free』に焦点を当てたLive”From back then vol.3″が開催されます!
このLiveの詳細はこちら!
http://jazztronik.com/2018/05/26/from-back-then-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/

7月に横浜、鹿児島、熊本、福岡で行うビッグバンドツアーの詳細はこちらをどうぞ!
http://jazztronik.com/2018/06/13/%E5%A4%8F%E3%81%AEbig-band-tour/

 

どのLiveも間違いなく楽しいLiveですので皆さんぜひ来てください!!!!