Blog - 自分でどうにかする時代。 2018. 04. 04 08:04

最近は様々な音楽関係者に会ったりします。
音楽というものは作曲しているだけでは誰にも届かないので、誰かに届けたい場合それをどうにかしていく必要があリます。
そんな事についてのblogです。

例えばCDを販売したり曲を配信したりするのも部屋で作曲して「はい終わり」では誰にも届きません。
聞いてくれる人達に届けたい場合はどうにかアクションを起こさないと。
僕はありがたいことに20代の前半から現在までアーティスト活動&音楽の仕事のみでやってきているわけですが、それは僕が作曲した作品をどうにかしてくれる人達がいたからです。
どうにかしてくれる仕事にはこれまた様々なジャンルがあるのでここでは細かくは言いませんが、一番わかりやすいところではレコード会社ですね。
レコード会社が自分の作った曲を商品としてみなさんに届けられるよう色々なカタチにしてくれるわけです。
そのレコード会社を見つけて来るのはマネージメント事務所だったりするわけです。
そうやって発表されていった曲がどこかで使われたりした際に発生するのが著作権使用料、これを徴収してくれるのがJASRACのような著作権管理団体です。
さらに言うと、作曲ではなくその音源を作る事に関わった人達に対して発生する著作隣接権というものがあります。これはミュージシャンにはとっても大切な権利でもちろん使用料も発生します。
それを分配してもらうには、ミュージシャンはこれまた管理団体に登録する必要があり、レーベルもレコード協会の様な所に入る必要があり、自分たちの作った音源もどこどこに登録されている必要があり、etc..

もう言ってたらキリがないんです。
とにもかくにもこういう所を通過したのち音楽というのはどうにかなり我々音楽を生業としている人間達もどうにかなるわけです。
実は僕はこういった所をあまり細かくは理解していませんでした。
完全に人任せだったというか。
海外のミュージシャンの友達なんかはこういう所がとてもしっかりしていて「権利のこと詳しいなぁ」なんて昔から思っていましたが。
残念ながら当時の僕はそう思っていただけで興味は持ちませんでした。
なぜかというと、僕の音楽は自分で何かを特にしなくても誰かがどうにかしてくれていたので。

なので別にこれからもなんとなく人任せでどうにかしていく選択肢もあるわけですが、ちょっとそれでは僕は面白くなくなってしまったんです。
時代が変わってきたんです。
このブログを読んでくれている方でどのくらい音楽関係の仕事に携わっている方がいるのかはわかりませんがそうでない方達の為に言いますと、ここ最近の世界の音楽に関する様々なサービスの進化・誕生のスピードはとてつもなく早いです。
日本は様々な分野でガラパゴスと言われていますが、音楽も全く同じです(ある意味幸せかもですが)。
とにかく自分の音楽をどうにかする為の選択肢が増えてきました。
その選択肢と言うのは主に海外のサービスの事ですが。
僕が上に挙げた様な所を通過しなくても皆さんに音楽を届けそしてその対価を受け取れるサービスがどんどん出来てきています。

音楽出版社というシステムが日本だけでなく他の多くの国にもあります。
これについては長くなるのでまた別の機会に。
先日アメリカの音楽出版社の方とランチミーティングをしたのですが、やはり日本ではとても考えられない様な面白いサービスが始まっていてさすがアメリカという感じがしました。
音楽の世界の作家やアーティストというのはこれからは個人でどんどんアクションを起こしていく時代だなとすごく感じます。
特に自分の音楽をもっと自由に自分で扱いたい作家やアーティストは。
既存のシステムに乗っ取って自分の曲の居場所を流れ作業の様に無関心に決めてしまうという事は、音楽がこんなに自由に発表できる様になった時代にはあまり向いていないし面白くないと僕は思います。

だってきっともっとサービスだってシステムだって進化しますよ。
想像できないくらい。
10年前、無料や定額で音楽聞き放題がこんなに一般的になると思わなかったでしょ。

その為には自分で知識を身につけないと絶対ダメですね。
これは心底思います。
とにかく『自分でどうにかする時代』だと思います。
あ、ここまで書いてきてまだ言っていませんでしたが、日本の音楽業界のシステムはそれはそれで良い所が沢山ありますよ。
だからこんなに大きな産業になったのだと思うし。
でも、同じシステムが未来永劫続いていく事は絶対ないですからね。
ちょうど今が変わり時なのでしょう。
ある意味貴重な時代に音楽活動させてもらっています。
一概に海外の新しいサービスばかりが良いとは言えないのですが、
それでも僕は新しく出てくるサービスに魅力と刺激を感じるし、アーティストとして自分の作品を自由に扱っていく事を考えるとそちらにしか未来を感じません。
海外の新しい部分を取り込んだもっと柔軟な日本独自のシステムが構築される事を祈ります。

こんな話をもっとわかりやすくしかも詳しく話す会が来週4月13日(金)に神楽坂で開催されます!
ここまで読ませて宣伝かよ、とか思わないでくださいね(笑)。
元々は『著作権の勉強会』という名前で1年ちょい続けた会ですが、今年からは『奥座敷(サロン)』という名前に代わり以前よりアットホームな雰囲気で開催しています。
前回この『奥座敷(サロン)』を下北沢で開催した際に「この会に出席し続けて勉強してレーベルを立ち上げました!」という方にお会いしました。
これはホント嬉しかったですね。
少しでもお役に立ててこういう会を続けた意味がありました。
なかなか本やネットではわからない著作権や音楽業界の仕組みの話をみんなでワイワイと語る会ですのでぜひ気軽に来てください!
前述のアメリカの出版社の方にもアメリカの音楽業界の話をしていただく時間を持とうと思っています。
今回は我々を含めても30人しか入れない非常にこじんまりとした会になりそうです。
ぜひ興味ある方はお早めにチケットをご予約ください。

詳細はこちらをどうぞ!!!
https://okuzashiki02.peatix.com/view